あの \("\sum_{}^{}"\) とは何だったのか? と思われている方へ、私が贈る迷講義 ?? その3
拙ブログを訪れて頂きまして、有難うございます。月に1~2回程の更新を心掛けます。
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前回の解答解説
以下、\(k, n\) は、自然数とする。
3-1
\(\displaystyle{\sum_{k=1}^{n}a_k=\sum_{k=1}^{n}[a+(k-1)d]}\) は、初項"a"かつ公差"d"の等差数列 "\(a_k\)" の第1項から第”n”項迄の和を意味している。これを求めるために、取り敢えず式の展開を進めると、
\begin{align} \sum_{k=1}^{n}a_k&=\displaystyle{\sum_{k=1}^{n}[a+(k-1)d]}\\ &= \sum_{k=1}^{n}a + d\sum_{k=1}^{n}k - d\sum_{k=1}^{n}1\\ &= na + d\sum_{k=1}^{n}k - nd \tag{1} \end{align}
右辺2項目に表れた \(\displaystyle{\sum_{k=1}^{n}k}\) を求めるために、この値を \(S\) とし、次の様に書ける ( これは、初項1、公差1、末項 n の等差数列の和である。念のために )。
\(\displaystyle{S=\sum_{k=1}^{n}k}\) であるから、
\begin{array}{rrrrr} &S=&1+&2+&3+&\cdots+&(n-1)+&n\\ +)&S=&n+&(n-1)+&(n-2)+&\cdots+&2+&1\\ \hline &2S=&(n+1)+&(n+1)+&(n+1)+&\cdots+&(n+1)+&(n+1) \end{array}
上の計算結果で、右辺の ”\((n+1)\)” は、\(n\) 項有る。よって、
\begin{align} 2S&=n(n+1)\\\\ S&=\frac{1}{2}n(n+1)\\ \therefore\ \sum_{k=1}^{n}k&=\frac{1}{2}n(n+1) \tag{2} \end{align}
この(2)式を(1)式に代入すると、初項 a、公差 d、の等差数列の第 n 項目迄の和の公式が導出できそうだ。代入すると、
\begin{align} ( 1 ) 式&= na + d\sum_{k=1}^{n}k - nd\\\\ &= na + \frac{1}{2}dn(n+1) - nd\\\\ &= \frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\} \end{align}
\[\therefore\ \displaystyle{\sum_{k=1}^{n}[a+(k-1)d]=\frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\}} \tag{3}\]
更に、( 3 ) 式で ”\(a_k\)” の第 \(n\) 項目の値 "\(a_n\)" を用いて次のようにも書ける。
\[\displaystyle{\sum_{k=1}^{n}[a+(k-1)d]}= \frac{1}{2}n(a+a_n) \tag{4}\]
故に、( 3 ) 式や ( 4 ) 式が、初項"a"、公差 "d"、の等差数列の、初項 ( 第 1 項 ) から第 "n 項" 迄の和となる。高校の教科書は、これらを等差数列の和の公式としていると思う。
( 但し、導出の仕方は異なっていると思う。多分 )
3-2
\(\displaystyle{T=\sum_{k=1}^{n}{ar^{k-1}}}\) について、多分高校の教科書と同じであろうやり方で導出してみる ( 御存知の方には退屈かもしれないが・・・ )。
1 ) \(r \neq 1\) の場合、
\begin{array}{rrrrrrr} T=& a\ \ \ + ar&+ ar^2&+ \cdots&+ ar^{n-2}&+ ar^{n-1}& \\ -)\ rT=& ar&+ ar^2&+ \cdots&+ ar^{n-2}&+ ar^{n-1}&+ ar^n&\\ \hline (1-r)T=&a - ar^n \end{array}
\[\therefore\ \displaystyle{T=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\ (但し、r\neq1)} \tag{5}\]
2 ) \(r = 1\) の場合、
\begin{align} T=&\sum_{k=1}^{n}ar^{k-1}\\ =&\sum_{k=1}^{n}a \cdot 1^{k-1}\\ =&\sum_{k=1}^{n}a \\ =&na \end{align}
\[\therefore\ \displaystyle{\sum_{k=1}^{n}ar^{k-1}=na}\ ( 但し、r=1\ )\tag{6}\]
5) 式と 6) 式をまとめると、
\[ \sum_{k=1}^{n}{ar^{k-1}}= \left\{ \begin{array}{l} r\neq1&のとき、 \displaystyle{\frac{a(1-r^n)}{1-r}}\\ r= 1 &のとき、 na \end{array} \right. \]
この数列の話題は漸化式や数学的帰納法へ続く ( 予定 )・・・
因数分解で苦手になり、三角関数でやる気が無くなり、漸化式で鳥肌が立った・・・等とは仰らず、まあ、何事も簡単な例から入ると、以外に馴染みやすいかもしれない。と言うわけで、
問題
次の漸化式を解け。但し、n は自然数とする。
( つまり、一般項 "\(a_n\)" を求めよ )
\begin{align} 1 )\ a_1=5,\ a_{n+1}=&\ a_n+30\\ 2 )\ a_1=5,\ a_{n+1}=&\ 30a_n\\ \end{align}
( 解答解説は次回に掲載予定です )
数学の話をして「 分からないとか、難しい 」と思われたときは、それについて簡単な例とか極端な例を示す事があります。最近、それらの例を掲載致しております。
( 単に難しい事が書けないだけかもしれん )
次回も宜しくお願い致します。
問題その2
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