高校数学1ミリメートル

大方は教科書に書いてあることを、1mmだけ私流に述べているつもりの、1mm だけ役に立つかもしれない高校数学ブログ。クイズや練習問題有り ( 誤植も有り? )

Vol.29 2次方程式の解と係数の関係

 今回は、2次方程式の解と係数の関係について(かなり余計な?)解説を致しております。

 私の第二ブログ、
 「 心穏やかな日々のために 」 https://odayakakokoro.hatenablog.jp/

にて、最近の数稿で、小中学の算数や数学の話題を掲載致しております。こちらも宜しくお願い致します。


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( お暇なときに、ケチでもお付けになりながら気分転換程度にお読み頂くのが宜しいかと・・・)


2次方程式の解と係数の関係の導出

まずは、2次方程式の解の公式より・・・

\[ ax^2 + bx + c = 0 \tag{1} \]  上に示す \( x \) についての2次方程式(1)式の解の公式は次に示す(2)式である。 \[ x = \frac{ -b \pm \sqrt{ b^2-4ac } }{ 2a } \tag{2} \]  ちなみに老婆心ながら(1)式は2次方程式だと言っているので \( a \ne 0 \) である。 そうでなければ \( x \) の2次の項が無くなるからである。また、解の公式の分母を見ると、 「確かに \( a \ne 0 \) だな」と分かる。

 更に前置きを続けると、そもそも2次方程式の解の公式は、2次方程式の解を、その2次方程式の係数によって表現している。 なので、2次方程式の解の公式を示すだけで「これが2次方程式の、解と係数の関係だ」と言われれば

「そう言う解釈も有るかもしれません」

と、私は言ってしまうかもしれない。

 しかし数学の世界では「2次方程式の解と係数の関係」とは、2次方程式 \( ax^2 + bx + c = 0 \) の2つの解(2次方程式は複素数の範囲で2つの解をもつ)をそれぞれ \( \alpha,\ \beta \) とすると、 \[ \alpha + \beta = - \frac{b}{a} ,\ \ \alpha \beta= \frac{c}{a} \tag{3} \] ここに示す(3)式の事を言う。なので、前置きが長くなってしまったが、以下で(3)式を導き出そうと思う。

 2次方程式 \( ax^2 + bx + c = 0 \) がもつ2つの解を \( \alpha,\ \beta \) とし、 \[ f(x) = ax^2 + bx + c \tag{1} \] とおくと、因数定理より、\( f(\alpha) = 0,\ f(\beta) = 0 \) なので、\( f(x) \) は \( ( x - \alpha ),\ ( x - \beta ) \) を因数に持つ。

 そこで、\( f(x) \) を \( ( x - \alpha )( x - \beta ) \) で割った商を \( Q \) として、 \[ f(x) = ( x - \alpha ) ( x - \beta ) Q \tag{2} \] と書ける。

 (1)、(2)式より、 \[ ax^2 + bx + c = ( x - \alpha ) ( x - \beta ) Q \tag{3} \]  (3)式で、左辺は \( x \) の2次式であり、左辺の\( ( x - \alpha ) ( x - \beta ) \) を展開すると、これも \( x \) の2次式である事により、\( Q \) は定数のようだ。

 ここで、左辺 \( x^2 \) の項の係数が \( a \) なので、右辺 \( x^2 \) の係数も \( a \) であるために、定数 \( Q \) は \( a \) であるに違いない。

 よって、(3)式は、 \[ ax^2 + bx + c = a( x - \alpha ) ( x - \beta ) \tag{4} \] 更に、両辺を \( a ( \ne 0 ) \) で割って、 \[ x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = ( x - \alpha ) ( x - \beta ) \tag{5} \] と書ける。なんで因数定理を用いて(5)式の様に「左辺=右辺」と書いたかと言うと、 右辺は当該2次方程式 \( f(x) = 0 \) の解 \( \alpha,\ \beta \) と \( x \) の式なので、右辺を展開 した後に両辺の\( x \) の係数と定数項を比較することにより( \( x^2 \) の係数は互いに1である)、 解と係数の関係の式が求まるという分けである。

 なので、(5)式の右辺を展開し、 \[ x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = x^2 -( \alpha + \beta )x + \alpha \beta \tag{6} \]

 (6)式の両辺の係数と定数項を比較して、 \[ \alpha + \beta = -\frac{b}{a},\ \ \alpha \beta = \frac{c}{a} \tag{7} \] この(7)が、\( \alpha,\ \beta \) を2解とする2次方程式 \( ax^2 + bx + c = 0 \) の解と係数の関係という分けである。

 この「解と係数の関係」は因数定理を用いなくても導出できる。(2)式で示す 2つの解を、 \[ \alpha = \frac{ -b + \sqrt{ b^2-4ac } }{ 2a } ,\ \ \beta = \frac{ -b - \sqrt{ b^2-4ac } }{ 2a } \] 等とし、直接に加算乗算しても良く、それにより(7)が得られる(これを2通り目の方法と 致したく思う)。当たり前のようにお感じになるかもしれないが、その当たり前の事を、 計算練習も兼ねて行い「確かにそうなる」ことを確かめるのも良いかもしれない。

 ところで冒頭、2次方程式の解の公式を示すだけで「これが2次方程式の、解と係数の関係だ」 等と書いたが、それは勉強不足の生徒が窮地を切り抜ける為の苦し紛れの答え方かもしれず、実は 私がそう言っていたかもしれないが、もう忘れてしまった・・・


 つまらないもの(出題)ですが・・・

今月の問題

 3次方程式の解と係数の関係を、上述と同様に因数定理を利用して導出せよ。

   出題にもならない様な問題かもしれませんが、この機会に何も見ずに 計算練習と思ってやってみて下さい。記憶していたとしても、公式集や 教科書で見て知っていたとしても、たとえ簡単なものであっても、 自ら計算したものが、それらと一致すると、ささやかながら達成感や 安心感をお感じになるかと思います(一致しないと多少は不安になるかもしれません)。

 これ迄通りにごちゃごちゃ述べながらの本当につまらないものになる かもしれませんが、ほんのささやかな私の解答解説を次回に掲載予定ですので、 お付き合い頂けましたら幸いに思います。


 次回の更新は7月中を予定しております。次回も宜しくお願い致します。


問題その2

 休憩しましょう。


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 拙ブログ 「更新は月曜の夕方」「 自然観察1ミリメートル 」は、2022年10月20日公開の新ブログ、

「 心穏やかな日々のために 」
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