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( お暇なときに、ケチでもお付けになりながら気分転換程度にお読み頂くのが宜しいかと・・・)
前回の解答解説
「次の式を有理数係数の範囲で因数分解せよ」と云う問題が出題されたときの事を考えてみる。
\[a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 \tag{1}\]
( 1 ) 式は教科書等が「ある式」の展開結果として示している事が多いと思う。その「ある式」を求める事になる。
前回の結果を用いる方法
与式中の各項を眺めて、
\[ 3a^2b + 3ab^2 = 3ab ( a + b ) \]
である事と、前回の結果が、
\[ a^3 + b^3 = ( a + b )( a^2 - ab + b^2 ) \]
であることから、共通因数 \( ( a+ b ) \) が現れる事に気付くと因数分解完成は近い。運算を示すと、
\begin{align} & \ a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 \\ =& \ ( a + b )( a^2 - ab + b^2 ) + 3ab ( a + b ) \\ =& \ ( a + b )( a^2 -ab + b^2 + 3ab ) \\ =& \ ( a + b )( a^2 + 2ab + b^2 ) \\ =& \ ( a + b )( a + b )^2 \\ =& \ ( a + b )^3 \end{align}
\[ \therefore \ a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 = ( a + b )^3 \]
( 恐らく ) 定石的な方法
与式中の各々の文字について次数が同じ場合、先ずは、一つの文字で括ってみるのが定石とする場合は多いかと思う。そこで、試しに \(a\) で括ってみると、
\[ a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 = a ( a^2 + 3ab + 3b^2 ) + b^3 \tag{2} \]
( 2 ) 式右辺の括弧の中を見て、その形が
\[ a^2 + 2ab + b^2 = ( a + b )^2 \]
の公式に近いことに気付いたとしよう、すると、
\begin{align} & \ a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 \\ =& \ a ( a^2 + 3ab + 3b^2 ) + b^3 \\ =& \ a ( a^2 + 2ab + b^2 + ab + 2b^2 ) + b^3 \\ =& \ a ( a^2 + 2ab + b^2 ) + a^2b + 2ab^2 + b^3 \tag{3}\\ =& \ a ( a + b )^2 + b ( a^2 + 2ab + b^2 )\\ =& \ a ( a + b )^2 + b ( a + b )^2\\ =& \ ( a + b )^2( a + b )\\ =& \ ( a + b )^3 \end{align}
( 3 ) 式でも右側の 3 項を共通因数 \( b \) で括ることにより、同じように
\[ a^2 + 2ab + b^2 = ( a + b )^2 \]
の公式を用いて共通因数 \( (a + b)^2 \) が現れ、これで括ることによって因数分解完成となる分けである。
\[ \therefore \ a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 = ( a + b )^3 \]
因数分解を導出することができた。
この因数分解は教科書等に載る程に有名なので、予め結果がお分かりの方が多かったかもしれない。結果を知っている因数分解の導出は「まあ、計算しているうちに何とか結論に辿り着けるだろう。何せ結論の式も含めて、因数分解できることが予め分かっているのだから」と、気楽に取り組めて、因数分解に慣れ親しむための練習に良いのではないかと秘かに思っている。ところで、
「 左辺を因数分解すると右辺になるから、右辺の展開は左辺である」のだろうか?いや、これは右辺の展開結果が左辺であるから左辺の因数分解は右辺であると考えるのが自然ではないのか?第一、最初に左辺の式を「この式を因数分解してみよう」と思い付くだろうか?
そんな分けで今日も眠れないのだが、それで睡眠導入剤を服用するのは薬の飲み方として間違っているかもしれない ( 冗談です )。
次に、
\[a^2+b^2\]
について、これは有理数係数の範囲では因数分解できない。そこで、複素数係数の範囲で因数分解してみる。結論を述べるのみで恐縮だが、 虚数単位 \("i"\) の、\( i^2 = -1 \) という性質を利用すると、
\[ a^2+b^2 = ( a + bi )( a - bi ) \]
これもまた、高校数学の教科書が掲載する程に有名なものだが、複素数を用いると、有理数の範囲ではできなかった因数分解が可能になる代表例として 取り上げてみることにした。
( 嫌われがちかもしれない因数分解というものに、親しむ機会の一つとなりましたら幸いです。)
今月の問題
次のそれぞれの式を正弦関数のみを用いて表現せよ。
\[ 2\sin{\alpha} \cos{\alpha} \]
\[ 2\sin{\alpha} \cos{\beta} \]
解答解説は次回に掲載予定です。
次回も宜しくお願い致します。
問題その2
休憩しましょう。
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