高校数学1ミリメートル

大方は教科書に書いてあることを、1mmだけ私流に述べているつもりの、1mm だけ役に立つかもしれない高校数学ブログ。クイズや練習問題有り ( 誤植も有り? )

Vol.9 正弦関数と余弦関数の合成の公式について (その2)

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正弦関数と余弦関数の合成の公式について (その2)

 今回は、正弦関数と余弦関数の和を余弦関数で表現してみようと思う。

解答例

 今回は、便宜的に次の式から考えていくことにしようと思う。

\[a\cos{\theta} + b\sin{\theta} =\ ?\tag{1}\]

ということを考えたとき、次の式が思い浮かぶと、(1)式は余弦関数で表現できる。これも三角関数の加法定理のひとつである。

\[\cos{\alpha}\cos{\theta} + \sin{\alpha}\sin{\theta} = \cos{(\alpha - \theta )} \tag{2}\]

そこで、(1)式に対して(2)式を適用するために、\( (a,\ b) \) を直交座標上の一点と捉え、極座標表現での2つの数、"\(r\)" \((\gt 0)\) と "\(\alpha\)" を導入し、

\[ (a,b)=(r\cos{\alpha},\ r\sin{\alpha}) \tag{3}\]

と表す。すると、(1)式は、(3)式を当てはめ、更に(2)式を適用し、次の様に書くことが出来る。

\[r\cos{\alpha}\cos{\theta} + r\sin{\alpha}\sin{\theta} = r\cos{(\alpha - \theta )} \]

ここで、”\(r\) " と "\(\alpha\)" について、それぞれどのような値になるかを検討してみる。
(3)式より、\(\cos{\alpha}=\cfrac{a}{r}\ \), \(\ \sin{\alpha}=\cfrac{b}{r}\) であり、\(\cos^2{\alpha} + \sin^2{\alpha} = 1\) であるから、

\[\frac{a^2}{r^2} + \frac{b^2}{r^2} = 1\]

”\(r\)” は(1)式中の2数\((a,\ b)\) で分かりそうだ。上式の整理を進めてみると、

\[\frac{a^2+b^2}{r^2} = 1\]

更に、

\[r=\sqrt{a^2+b^2} \hspace{20pt} \because\ r \gt 0\]

\(\alpha\) については、\(\cos{\alpha}=\cfrac{a}{r}\) かつ \(\sin{\alpha}=\cfrac{b}{r}\) を満たすものとなる。それは、そのように導入したからである。これについては \(\alpha \ne \displaystyle \frac{\pi}{2} \pm n\pi \) ( 但し、\(n\) は整数 ) の場合に、

\[\cfrac{\sin{\alpha}}{\cos{\alpha}}=\cfrac{\cfrac{b}{r}}{\cfrac{a}{r}}=\cfrac{b}{a}\]

即ち、

\[\tan{\alpha}=\frac{b}{a}\]

と、まとめる事も出来る。よって、(1) 式は、

\[a\cos{\theta}+b\sin{\theta}=r\cos{( \alpha - \theta )}\]

( \( 但し、\displaystyle{ r=\sqrt{a^2+b^2},\ \tan{\alpha}=\frac{b}{a},\ \alpha \ne \frac{\pi}{2} \pm n\pi\ (\ n は整数\ ) } \) )

と、表現できる。

( \( \displaystyle{ちなみに、\alpha = \frac{\pi}{2} \pm n\pi\ となる場合は、各自、検討されたし }\) )


  と言うわけで、正弦関数と余弦関数の和を余弦関数で表現する事も出来るようだ。


 
閑話休題

 昨今は統計学ブームかもしれない。テキストが沢山出版され、易しいものはシグマ記号の扱いから説明していたりする。そこで、

問題

 次の値を求めよ。但し、\(k\ ,\ n\) は自然数とする。

\[\displaystyle{\sum_{k=1}^{3}k}\tag{1}\]

\[\displaystyle{\sum_{k=1}^{n}1}\tag{2}\]

( 答えは次回に解答例として掲載予定です )


 今回は、前回の記事に対して手抜きみたいな記載になってしまいました。「ブログ更新継続の極意は、如何に上手く手抜きをすることが出来るかである」冗談です。次回も宜しくお願い致します。



問題その2
休憩しましょう。


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