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計算結果が"1"となる定積分の式の例 ( その2 )
今回は反比例の式や指数・対数の式等を扱ってみたいと思う。尚、自然対数の表記について、\(\ln{a},\ \ln{x}\ \) 等としている。
解答例 2_1
被積分関数が反比例の式の場合
\[\int_{1}^{t}\frac{1}{x}dx\ =\ \Bigl[ \ln{x}\Bigr]_{1}^{t}\ =\ \ln{t}\ -\ 0\ =\ \ln{t}\ \]
ここで、\(\ln{t} = 1\)となるには、\(t=e\) とすると良い。故に、
\[\int_{1}^{e}\frac{1}{x}dx\ =\ 1 \tag{2_1_1} \]
つまり、係数1の反比例の式を1からeまで積分すると、その値は1となる。では、\(x^2\)に反比例する場合はどうだろうか。
\[\int_{1}^{t}\frac{1}{x^2}dx\ =\ \Bigl[ -\frac{1}{x}\Bigr]_{1}^{t}\ =\ -\frac{1}{t}+1\ \]
この場合、\(t\rightarrow\infty\) となれば \( -\cfrac{1}{t}+1\rightarrow1\) となる。故に、
\[\int_{1}^{\infty}\frac{1}{x^2}dx\ =1 \tag{2_1_2} \]
これは実は広義積分というものであり、定積分ではない。高校数学で履修するかどうかは、忘れてしまった。再び教える機会があれば履修範囲をしっかり把握しておこうかと思う。
解答例 2_2
被積分関数が指数関数の場合
\[\int_{0}^{t}e^{x}\ dx\ =\ \Bigl[ e^{x} \Bigr]_{0}^{t}\ =\ e^{t}-1\]
これは \(e^{t}=2\) となれば良いので、\(t=\ln{2}\) である。よって、
\[\int_{0}^{\ln{2}} e^x dx\ =\ 1 \tag{2_2_1}\]
解答例 2_3
被積分関数が対数関数の場合
\[\int_{1}^{t}\ln{x}dx\ =\ \Bigl[x\ln{x}\Bigr]_{1}^{t} - \int_{1}^{t}dx\ =\ t\ln{t}\ -\ \Bigl[x\Bigr]_{1}^{t}\ =\ t\ln{t}\ -\ t\ +\ 1\]
これは、\(t = e\) であると良さそうだ。よって、
\[ \int_{1}^{e}\ln{x}dx\ =\ 1 \tag{2_3_1}\]
標準正規分布の確率密度関数の全定義域での積分
平たい言葉で言うと確率の総和は1であると云う事にでもなろうか。この式も広義積分であり、定積分では無いのだけれど、参考までに計算結果が1になるものとして挙げておこうと思う。
\[\int_{-\infty}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \exp \left[- \frac{x^2}{2} \right]dx\ =1\]
ここで、\(\exp[f(x)]=e^{f(x)}\) を意味している ( 念のため )。統計学入門のテキストにお馴染みの式である ( そっくり同じ形で書いては無いかもしれない )。
( 次回は被積分関数が三角関数の場合を予定しています )
今回の問題
問題
と言う分けで、被積分関数が三角関数の場合を検討せよ。
( 答えは次回に解答例として掲載予定です )
( 相変わらず面白く書けない、、、次回も宜しくお願い致します )
問題その2
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