高校数学1ミリメートル

大方は教科書に書いてあることを、1mmだけ私流に述べているつもりの、1mm だけ役に立つかもしれない高校数学ブログ。クイズや練習問題有り ( 誤植も有り? )

Vol.26 この因数分解、どうしてくれようか!?

 今回は、以下の式を因数分解する過程での(余計な?)解説を致しております。

\[ ( m + 1 )( m + 2 )( m + 3 )( m + 4 ) - 3 \]

 宜しくお願い致します。


 拙ブログを訪れて頂きまして、有難うございます。月に1~2回程の更新を心掛けます。

 御閲覧頂くに当たりましては、このリンク先ページの御一読をお願い致します

( お暇なときに、ケチでもお付けになりながら気分転換程度にお読み頂くのが宜しいかと・・・)


前回の問題の( 私の )解答解説

 「以下の(1)の様な式が整式の積の形であると助かるのだが \( \cdots \) 」 \[ ( m + 1 )( m + 2 )( m + 3 )( m + 4 ) - 3 \tag{1} \]  と思う様な状況が、これからもあるかもしれない。そんなことを考えてみながら出題してみた。

 さて、この(1)式を因数分解(つまり、多項式の積の形にすること)するべく展開し、文字 \(m\) について(降べきの順に) 整理すると、4次式になるのは自明だ。その状況で公式に当てはめたり、因数定理を用いようとしても(私には)どうにも難しそうだ。

 何か使えそうなパターンは無いものか?と思いつつ、一気に全て展開せずに、積の組み合わせを考えて部分的に展開をしてみると、

 \( ( m + 1 )( m + 2 )( m + 3 )( m + 4 ) \) の部分について、\( ( m+1 ) \) と \( ( m+4 ) \) との積が 、

\[ ( m + 1 )( m + 4 ) = m^2 + 5m + 4 \] 同様に、
\[ ( m + 2 )( m + 3 ) = m^2 + 5m + 6 \] よって、 \[ ( m + 1 )( m + 2 )( m + 3 )( m + 4 ) = ( m^2 + 5m + 4 )( m^2 + 5m + 6 ) \tag{2}\]
(2)式右辺の双方の括弧の中に同じパターン \( m^2 + 5m \) が表れた。これを文字 \( t \) で置き換え、\( t = m^2 + 5m \) として、 (1)式を書き直すと、

\[ ( t + 4 )( t + 6 ) -3 \tag{3} \]
となる。この(3)式を展開、整理してみると「これなら因数分解できそうだ!」と云う分けである。最後に忘れずに、 自分で導入した \(t\) を \( m^2 + 5m \) に戻して、因数分解完成となる。一連の運算は、

\begin{align} &\ ( m + 1 )( m + 2 )( m + 3 )( m + 4 ) - 3 & \\ \\ =&\ ( m^2 + 5m + 4 )( m^2 + 5m + 6 ) -3 \\ \\ =&\ ( t + 4 )( t + 6 ) - 3 \\ \\ =&\ t^2 + 10t + 24 - 3 \\ \\ =&\ t^2 + 10t + 21 \\ \\ =&\ ( t + 3 )( t + 7 ) \\ \\ =&\ ( m^2 + 5m + 3 )( m^2 + 5m + 7 ) \end{align}
\[ \therefore \ \ \ ( m + 1 )( m + 2 )( m + 3 )( m + 4 ) - 3 = ( m^2 + 5m + 3 )( m^2 + 5m + 7 ) \tag{4} \]


 (4)式の右辺は、有理数係数の範囲ではこれ以上因数分解できない。よって、これが因数分解の結果となる。


 因数分解とは、ザックリ言うと、整式を多項式の積の形にすることである。何でそうするかというと、例えば、そうする事で 元の式について分かり易くなる事があったり、その後の運算に都合がよかったりするからである。

 習い始めの時は、生徒はほとんどそれを知らされずに、ひたすら公式と定石を覚えさせられ、因数分解の問題演習をさせられ、 取り敢えず定期テストで高得点を要求される。

 その後、数学の学習が進むにつれて生徒自身が「なるほど、こういう場面で必要なのか」と納得していくようになる。 やがて「ここでこの式が因数分解できると良いのだが」と思う場面が出てきたりする(私の場合がそうである)。

 そう思う様になる迄は「何でこんな面倒で無味乾燥な事をしなければならないのか」「やっておれん」という心境でいる かもしれない(実は私がそうだった)。

 一方で、履修中や履修したてであっても「一流大学、高級官僚への道は因数分解にあり」等の動機で、とことん意欲的に 取り組み、極める人もいるかもしれない。また、因数分解自体に大変な興味を抱いてしまう人も居られるかもしれない (世間は広いという意味で)。

 色々と考えてしまうが、その数学的有用性など考えずに「思考力や記憶力の鍛錬という事で、数学として因数分解で完結しても 良いかもしれない」とも思う。それはそれで脳トレや、更には、忍耐力の養成にも役立つことと思う(そうしてみたいと 思う人にとってはの話だが)。

 その延長線上に「因数分解世界選手権」や「因数分解オリンピック」等々、そんなのがあっても楽しいかもしれない (悪のりか?)。

 あれこれ考えてしまい、今夜も眠れない。


今月の問題

 トランプ52枚の中から1枚を取り出したとき、それがハートである確率 \( \mathrm{P} \) を求めるため (ハートマークのカードは13枚あるので)以下の様に立式したのだが・・・ \[ \mathrm{P} = \frac{ {}_{52} \mathrm{C} _{13} }{ {}_{52} \mathrm{C} _{1} } \]  このことについて検討せよ。

 (この場合、別にトランプのマーク等何でも良いのですが、一小市民としては、バレンタインデーが近いので 「ハート」としてみました。「チョコレート等欲しくはない」と強がっている今日この頃です。

 (しまった、また余計なことを言ってしまった。本当に余計なことを言ってしまった

 解答解説は次回に掲載予定です。


 次回も宜しくお願い致します。


問題その2

 休憩しましょう。


以下、広告です。宜しくお願い致します。

 「 パイロット 万年筆 カスタム74 」は普段使いの国産万年筆の定番かと思います( 私が勝手に思っているだけなのですが )。

 ペン先は 14 金です。万年筆のペン先に金を使うのは、常にインクにさらされるペン先の、腐食に対する耐久性が良いからだ そうです( 実際、金が化学変化を起こしにくいのは、よく知られた話です )。

 大事に使えば長持ちし、庶民にとっての「生涯の友」となるかもしれません。

 国産万年筆は、特に国内で流通するものは、日本語を書く事を念頭に置いて設計製造されている事と思います。 メーカーは、そのノウハウの蓄積もある事と思います。その意味でも、是非、国産万年筆をどうぞ。

 ( 私の場合特に、画数の多い漢字や、数式記法にある添え字等の小さな文字を書くときに備えて細字のペン先を選びました )


 私の万年筆を使う楽しみの一つは、コンバーターを使ってのインク吸引作業なのです。これがあるから万年筆を使って いると言っても良いかもしれない位なのです。パイロット万年筆のコンバーターではスクリュー吸引式の CON-40 が、吸引 できる容量は少な目なのですが、回転式吸引の操作がとてもやりやすくて、今のところ私のお気に入りです。既にご愛用の 方も、スペアにどうぞ。

 パイロット万年筆インクです。リーズナブルな価格で、ボトルがインク吸引の際に使い易く、普段使いに良いと 思います。

 青インクです

 ブルーブラックです

 黒インクです



図書カードNEXT/10,000円券

 贈り物に図書カードも定番かと。進級、進学、就職、お誕生日、等々の記念にどうぞ。
 また、このインターネット時代の図書券とでも言うべき「図書カードNEXT」は 、御自身の書籍購入の際の決済手段としても便利かもしれません。

↓ 図書カードNEXT ホームページの URL はこちらです。
https://www.toshocard.com/
( 直リンクは控えております )
ご利用方法などが掲載されています。宜しくお願い致します。

 ご購入の際は、是非、是非、私のブログのリンクから、どうか、どうか、何卒宜しくお願い致します。


 御存知、Amazon ギフト券 です。こちらも宜しくお願い致します。


 広告は以上です。宜しくお願い致します


↑ 読者になって下さると励みになります。宜しくお願い致します。


↓お知らせです

 拙ブログ 「更新は月曜の夕方」「 自然観察1ミリメートル 」は、2022年10月20日公開の新ブログ、

「 心穏やかな日々のために 」
https://odayakakokoro.hatenablog.jp/

へ引き継いでおります。こちらでは、小学、中学程度の算数や数学の話題も掲載予定です。私の日常も 垣間見えるかもしれません。お暇潰しにでも御覧下さればと思います。

 宜しくお願い致します。


「高校数学1ミリメートル」
© くぼいる 2021~
All Rights Reserved